自閉症

いまだに多くの誤解を受けている障害が「自閉症」である。「自閉症」という病名にどのような印象をお持ちだろうか。多くの人が「自分の殻に閉じこもる」から「自閉症」だとは考えていないだろうか。何か精神的なストレスで自閉症になったり、家庭不和から自閉症になったりはしない。かつては心理的原因論が有力とされてきた時代もあったが、現在では先天的な脳の機能及び発達の障害であることが分かって来ている。

2004年10月から11月にかけて日本自閉症協会は「自閉症者に対する意識調査」を行っている。「自閉症を知っているか」の問いにはほぼ全ての世代、男女関わらず「知っている」と答え、「どうやって知ったか」の問いでは「テレビ」「新聞」が圧倒的多数を占めた。また「身近にいる」という答えも20%を超えた。またこの調査で最も重要だと思われる自閉症の原因については「脳機能の発達障害」と正しく理解しているのは全体の68%、「心の病」「遺伝性」「親の育て方」といった誤解した回答は30%を超える結果となった。「自閉症者が近くに住んでいたら」という問いでは「問題ない」がほとんどで「不安である」「いやだ」と答えたのは数%に満たなかった。だが一歩踏み込んだ「自分の子供が近くに住んでいる自閉症児と一緒に遊ぶことをどう思うか」の問いでは「不安である」「いやだ」と答える人が20%近くになる。障害者のいる地域生活自体は許容出来るものの、直接関わることには拒否反応を示すという、奥深い問題がこの調査から見え隠れする。「自閉症」という言葉そのものに対する誤解、そして少年犯罪などの過熱報道の影響で「障害」そのものの実態は無視され、犯罪行為そのものが先行した形で「障害」が語られ、一般にそうした悪いイメージばかりが植え付けられるという問題もある。我々の間違った認識が、患者やその家族に大きなダメージを与えることになることも肝に銘じておきたい。

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