森田療法
1920年頃、東京慈恵医院医学専門学校(のちの慈恵会医科大学)の教授であった森田正馬により提唱された日本独自の心理療法の一つ。神経質性格(ヒポコンドリー性基調感情)と精神交互作用が森田神経症といわれる不安障害の発症の一因であるとし、これを克服し、生の欲望の発揮(自己実現)を促そうとするもの。「とらわれ」の観念に陥り、自らの症状に執着する、一方ではそれを認めたがらないという「思想の矛盾」が働く(「かくあるべし」という考え方)」。そうした問題を「あるがまま」受け入れることを森田療法は説いている。
【森田療法の入院治療】
1.臥褥期(1週間)
患者は隔離され一週間、 洗面や食事以外はずっとベットに横たわる。心身が安定を図り「生の欲望」をよりよく発揮したい気持ちする。
2.軽作業期(数日〜一週間)
病院内でのみの行動が許され、外の様子などを観察させ、簡単に体を動かす。また、日々の行動を日記に書き、治療者がコメントする日記療法 を始める。
3.重作業期(2〜3ヶ月)
集団で日常生活と変わりない作業を行う。スポーツや掃除、読書など 。ここで、そこから逃げずに 不安を受け入れる態度を身につけ、「生の欲望」を生かしていけるように自己を修正する。
4.生活訓練期
日常生活に復帰する為の準備を行う期間。病院外への外出や、実生活と同様の状況を作り、 普通の社会性の取り戻させる。不安や恐怖を感じることもあるが、それを受け止めたまま (あるがまま)の状態を作れるようにする。 「生の欲望」を生かせる気持ちを育んでいく。