広汎性発達障害
コミュニケーション、対人関係に関する障害が特徴的な発達障害。
【診断例】
A.それぞれの項目から合計6つ(またはそれ以上),うち少なくとも<対人的相互反応における質的な障害>から2つ、<意思伝達の質的な障害>と<行動、興味及び活動が限定され、反復的で常同的な様式>から1つずつの項目を含む。
<対人的相互反応における質的な障害>
●目と目で見つめ合う、顔の表情、身体の姿勢、身振りなど、対人的相互反応を調節する多彩な非言語性行動の使用の障害
●発達の水準に相応した仲間関係を作ることの失敗
●楽しみ、興味、成し遂げたものを他人と共有することを自発的に求めることが出来ない
●対人的、情緒的相互性の欠如
<意思伝達の質的な障害>
●話し言葉の遅れ、または完全な欠如
●他人と会話を開始し継続する能力の著明な障害
●常同的で反復的な言葉の使用、または独特な言語
●発達水準に相応した、変化に富んだごっこ的な遊びや社会性を持った物真似遊びの欠如
<行動、興味及び活動が限定され、反復的で常同的な様式>
●強度または対象において異常なほど、常同的で限定された型の一つ、またはいくつかの興味だけに熱中すること
●特定の、機能的でない習慣や儀式にかたくなにこだわる
●常同的で反復的な衒奇的運動(例えば、手や指をぱたぱたさせたり、ねじ曲げる、または複雑な全身の動き)
●物体の一部に持続的に熱中する
B.3歳以前に始まる、以下の領域の少なくとも1つにおける機能の遅れまたは異常:
(1)対人的相互作用、(2)対人的意志伝達に用いられる言語、または(3)象徴的または想像的遊び。
C.この障害はレット障害または小児期崩壊性障害ではうまく説明されない。
(DSM−IV 精神疾患の分類と診断の手引より)