薬物依存
身体に有害であると分かっているのに依存性の高い、精神作用をもたらす薬物を継続的に使用し続ける状態をいう。依存性の高い薬物には、覚せい剤、大麻、コカイン、LSDなどの幻覚剤、シンナー、トルエンなどの有機溶剤、さらにはアルコール、タバコ(ニコチン)、コーヒー(カフェイン)なども嗜好品ではあるが依存性の薬物に該当する。そして睡眠薬、抗精神薬(不安薬)も大変依存性が高い薬物である。
【診断基準(DSM-IVによる)】
●薬物乱用
次のうち1つ以上が1年以内に起こっていれば、薬物乱用。
1.薬物を常用しているために、仕事や学業の過程でその役割や義務を果たせなくなった。
2.薬物を使うのが危険な状態でも常用してしまう。(運転や危険を伴う作業など)
3.薬物が原因で、逮捕されたことが一度でもある。
4.薬物が原因で、いつも社会的な問題や対人関係のトラブルが絶えない。
●薬物依存症
次のうち3つ以上が1年以内に起こっていれば薬物依存傾向。
1.薬物をずっと使っているために、効きにくくなっている。
2.離脱症状(禁断症状)がある。同じ薬物を再び摂取すれば消えてしまうので、離脱症状を軽くしたり、なくすために使ってしまう。
3.しばしば、最初の頃よりも量が増えている、また長い時間使用している。
4.いつも薬物の使用をやめるか減らすかしたいと願っている。しかし、実際にやってみたことがあったとしても、失敗している。
5.薬物を入手するためなら、長時間をかけるのも惜しまない。また、薬物を使用したり、薬物の作用から回復するために費やす時間も長い。
6.薬物のために、重要な社会的、職業的な活動が出来なかったり、娯楽を放棄しているか、減らしている。
7.精神的、身体的な問題が薬物のためにいつも起こっており、例えこれ以上続けると悪化すると分かっていても、やめられない。