統合失調症
1911年にスイス人医師のオイゲン・ブロイラーによって「精神分裂症」として提唱されたのが始まり。そもそもドイツの精神医学者エミール・クレペリンが内因性の精神病をその経過において分類。「躁鬱病」を一つの疾病単位とし、これと並んで若くして発病し、長期的に見ればいずれ痴呆に至るという「早発性痴呆」という単位を設けた。しかしこの名称通りに必ずしも若くして発症するものではないこと、その経緯が痴呆に至らないケースもあること、また「痴呆」という誤解を招き易い語を含んでいる(ここで言う「痴呆」とは一度獲得された知能が後天的、器質的な障害によって失われるといった意味ではなく、あくまで人格構造の解体ということを意味する)事等から批判の対象とされ、以後ブロイラーの提唱する「精神分裂症」に落ち着く事となる。
2002年6月には日本精神神経学会が「精神分裂症」という病名の持つイメージが患者に差別と社会的不利益をもたらすとして新たな病名を「統合失調症」に改めた。
【症状】
●陽性症状
<妄想・幻覚・幻聴・思考障害・自我障害>
人の声や物音等、現実には存在しない音が聞こえる、自分が被害を受けているといった妄想を抱く、会話がとりとめないものになる等の症状が見られる。
●陰性症状
<引き蘢り・感情の平板化・無関心>
家に閉じこもりがちになり、感情の起伏が乏しくなる。また周囲に対しての感心がなくなる。